Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ささめゆき

細雪

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 150.580 Zeichen · 287 Bildschirme

Aozora Bunko

「秋やなあ、―――」

と、新聞の面から顔を上げて、貞之助に云った。

「―――今朝は珈琲が特別強う匂うて来るように思いなされへん?」

「ふん、………」

貞之助は貞之助で、新聞をひろげたまま読む方に気を取られていたが、そこへお春が珈排と一緒に雪子の手紙を盆の端に載せて這入って来たのであった。

もう立ってから十日以上になるのに、と思っていた矢先だったので、幸子は急いで封を切ったが、用の相間に慌しく書いたらしい筆の跡を見て、姉や雪子がどんなに忙しい目に遭っているかを直ちに察しることが出来た。麻布の種田と云うのは、義兄の直ぐ上の兄に当る人で、商工省の官吏であることは知っているけれども、幸子などは十何年も前姉の結婚式の時にたった一度会ったきりで、顔もよく覚えていないくらいなので、姉にしても恐らくそんなに度々は会っていないであろう。義兄が先月来寄食していた関係から、取り敢えず其処に転がり込んだのであろうが、義兄は身内だからよいとして、姉や雪子は、知らぬ土地へ来て、名古屋側の親戚の、而も目上の人の家に厄介になっているのでは、どんなにか窮屈なことであろう。そこへ持って来て病人が出来、医者を呼んだりするのでは尚更である。