Japanische Klassiker mit Furigana
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 150.580 Zeichen · 287 Bildschirme
尤も今日は縁起を担いでわざとそのことに触れないでいるのかも知れないが、それにしても、蔭で幸子を労わると云う心持を示してくれてもよさそうなものだのに、あまりにも気が利かな過ぎる。或はそんな風に思うのは此方の身勝手と云うもので、陣場夫婦の気持では、自分達の方こそ、今までに何回も延期々々で引っ張られて来たのだから、此処へ来てそのくらいな犠牲を払ってくれるのは当り前だ、と云う腹があるのであろうか。ましてこれは誰のためでもない、此方の妹のためであって、陣場夫婦は親切ずくでしているだけのことなのだから、向うにすれば、姉が妹の見合いのために体の故障を忍ぶぐらいが何であろう、それを自分達に恩にでも着せるように云うのはお門違いである、と思っているのであろうか。貞之助は、此方の僻みかも知れないけれども、この夫婦にも矢張井谷と同じような考、―――婚期におくれて困っている娘を自分達が世話をしてやるのだ、と云った考があって、彼等こそそれを恩に着せる気味合があるのではなかろうか、と云う風にも感じた。が、幸子の話だと、陣場と云う男は浜田丈吉が社長をしている関西電車の電力課長であると云うから、社長に忠義立てをするために野村の意を迎えようとして一生懸命になり過ぎ、つい外の事に気が廻らなくなっているのだと解釈するのが、一番当っているかも知れ