Japanische Klassiker mit Furigana
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 150.580 Zeichen · 287 Bildschirme
それにつけても、幸子は雪子の例のシミが、今度帰って来てからは全く影を消しているので、今日は安心していたのであるが、まさか井谷がそんなこと迄しゃべったであろうとは思えないながらも、この時ちょっとヒヤリとした)貞之助は専ら自分が引き受けて応対の任に当っているうちに、野村と云う人がひどく神経質であることが分って来、なるほどこれなら独語を云う奇癖があるとしても不思議でないような気がして来た。それにさっきからの様子を見ていると、野村には全然此方の腹の中が分らないで、もうこの縁は纏まるものと思い込んでいるところから、そんな工合に、細かなことを立ち入って尋ねるのであるらしく、トーアホテルで会った時の取り付きにくい印象とは別人のように活気づいて、ますます上機嫌になっていた。
貞之助達の正直な気持は、好い加減にこの会合を切り上げて一刻も早く帰宅したいことであったが、帰り際になって又一つ当惑したことが起った。と云うのは、大阪へ帰る陣場夫婦が自動車で貞之助達を蘆屋まで送って行き、そこから自分達は阪急に乗ると云うことであったが、自動車が参りましたと云うので、出て見ると、一台しか来ていない。