Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ささめゆき

細雪

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 150.580 Zeichen · 287 Bildschirme

Aozora Bunko

どう云う訳か、この児は母親が外出すると云ってもこんなにまで跡を追わないのに、雪子が出かける時はいつも執拗く附き纏って何とか彼とか条件を出さずにはいない。雪子は自分が、兎角上本町の本家の方にいるのを嫌って蘆屋の方にばかり来ているのは、本家の兄と折合が悪いこと、姉のうちでも二番目の姉の方が馬が合うこと、等々が主な原因であるように、世間は勿論自分でも何となくそう思い込んでいたけれども、実は悦子に対する愛情が、前の二つにも勝る原因ではないのだろうかと、近頃心づくようになった。そしてそう心づいてからは、ひとしお愛情がこまやかになるのを感じた。そう云えばいつか本家の姉から、雪子ちゃんは幸子ちゃんの子ばかり可愛がって内の子供をさっぱり可愛がってくれないと嫌味を云われたことがあって、返答に困ったのであるが、正直のところ、雪子はちょうど悦子ぐらいの年頃の、悦子のような型に属する女の児が好きなのであって、本家の子供達と云うのは、なるほど大勢いることはいるけれども、女の児は今年二つになる赤ん坊が一人だけで、あとは男の児ばかりであるから、彼女の関心を惹く程度は、とても悦子とは比べものにならないのであった。