Japanische Klassiker mit Furigana
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 150.580 Zeichen · 287 Bildschirme
どうかすれば、強いて身をおとして気のすすまない人の所へ嫁ぐよりは、このままこの家に置いて貰えて、母親の幸子がする役を自分がさせて貰えるのであったら、それで孤独が救われて行きそうに思いさえした。
ありていに云うと、雪子をそう云う風に悦子に結び着けたのには、いくらか幸子の仕向け方もあったかも知れない。たとえば蘆屋の家にも、雪子と妙子とが共同で使う部屋を一つ当てがってあったが、妙子がそこを始終仕事場に利用するようになった機会に、幸子のはからいで雪子を悦子と同居させることに定めた。悦子の部屋と云うのは二階の六畳の日本間で、畳の上に背の低い小児用の木製の寝台が置いてあり、今まで夜は女中が一人その寝台の下に寝床を敷いて悦子に附き添って寝ていたのであるが、それからは女中の代りに、雪子が折り畳み式になった寝台用の藁布団の上にパンヤの敷布団を二枚重ね、悦子の寝台とほぼ同じ高さに寝床を敷かせて寝るようにした。そんなことが始まりで、病気の時の介抱、学課の復習、ピアノの練習、弁当のお数やお三時の心づかい、等々の役目がだんだん幸子から雪子の方へ移って行った。それは一つには、雪子の方が幸子よりもいろいろそういうことにかけて適任であったからとも云える。