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Japanische Klassiker mit Furigana

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ささめゆき

細雪

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 150.580 Zeichen · 287 Bildschirme

Aozora Bunko

悦子は見たところ血色も肉づきも健康そうでありながら、母親に似た体質で何処か抵抗力の弱いところがあるらしく、淋巴腺を脹らすとか扁桃腺を患うとかして、よく高熱を出すことがあったが、そんな時に二日も三日も徹夜で看護して氷嚢や湿布を取り換える、と云うような仕事に、誰よりも堪えられるのは、雪子なのであった。いったい三人の姉妹のうちでは、雪子が一番体つきがきゃしゃで、腕などは悦子とあまり違わないくらいの太さしかなく、いかにも胸の病などありそうな恰好に見えるので、そんなことも彼女を今迄縁遠くしていた原因の中に数えられるのであるが、それでいて消極的な抵抗力は最も強く、家じゅうの者が順々に流感に感染するような時でも彼女だけは罹らずにしまうと云う風で、今迄ついぞ病気らしい病気をしたことがなかった。その点になると一番丈夫そうに見える幸子が、実は悦子と同様に見かけ倒しで、一番意気地がなく、少し無理な看病が続けば結局自分が倒れてしまって、余計端の者に厄介をかけた。それと云うのが、幸子は先代の蒔岡家が全盛を極めた時代に育ち、亡くなった父の寵愛を一身に鍾めて成人したので、七つになる児の母親である今日でも、何処かだだっ児じみた所があって、精神的にも体質的にも怺え性がなく、ややともすれば二人の妹からあべこべに窘められると云う風なのである