Japanische Klassiker mit Furigana
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 150.580 Zeichen · 287 Bildschirme
と、幸子が又あとを引き取って、
「―――稽古の間は決して日本語を使わないと云う約束したのでございますけれど、矢張そう行かなくて、つい日本語が出てしまいまして、………」
「僕は稽古を隣の部屋で聞いていることがあるんですが、三人共殆ど日本語でばかりしゃべってるんですよ」
「あら、そんなことあれへんわ」
と、幸子は思わず大阪弁を出して夫の方へ向き直った。
「仏蘭西語かて使うてますねんけど、あんさんとこまで聞えしませんねん」
「そうらしいですよ。たまには仏蘭西語も使うてるらしいんですが、その時はいつも虫の息みたいな小さな声できまり悪そうに云うもんですから、隣の部屋まで聞えて来る筈がないんです。あれではいくらやったって上達しない訳ですが、どうせ奥さんやお嬢さんの語学の稽古なんて、何処でもあんなものなんでしょうな」
「まあ、えらい云われ方。―――けど、語学の稽古だけやあれしませんね。料理の仕方やら、お菓子の焼き方やら、毛糸の編み方やら、日本語使うてる時かていろいろ教せて貰うてますねん。あんさんこの間あの烏賊の料理たいそう気に入って、もっと外にも教せて貰え云うてはったやおませんか」