Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜつぼうよりしょうずるぶんげい
絶望より生ずる文芸
小川 未明
Lesen Sie 絶望より生ずる文芸 (ぜつぼうよりしょうずるぶんげい) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.997 Zeichen · 4 Bildschirme
此の如きは実に人間として感覚の悲哀を感ずべき事ではあるまいか。
又一方より云えば、吾人の感覚に、何程多くの経験を意識する事が出来るか、殆んど数うべからざる程の多くの外界的刺戟に対して感ずる感覚は、極めて単調であるとしか見られない。要するに人間の感覚に限りのある事は明かな事実である。そして又此れは独り能力のみに限らず時間的にも相当の際限は免れないのである。斯く思えば感覚の生活もやがて亡びて了うという事実も予想せずには居られない。
人間として生れて来た以上は、肉体に於ても、又精神に於ても各々其の経験を出来得る限り多く営みたいという事は誰しも常に思い希うところであり、又此れが生活として意義ある事であろうと思う。併し其の本能の満足を遂げつゝある間に、人間は自己の滅亡という事を予想せずには居られない。此に於てか痛切に吾々の脳裡に『何処より何処へ行くか』という考えも起るのである。又『此の地上に生れ出でゝ果して何を為すがために生活するか』という様な問題も考えられるのである。そして終に、肉体と精神とを挙げて犠牲にするだけの偶像を何物にも見出し得ざる悲しみを感ぜずには居られないのである。