Japanische Klassiker mit Furigana
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ままこ
継子
夢野 久作
Lesen Sie 継子 (ままこ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.364 Zeichen · 25 Bildschirme
そうしてあの手紙をあの女が読み初めたのです」
玲子は恐ろしかったその時のことを思い出して今更のように身体を縮めた。
「あの時のあの女の度胸のよかったこと……あんなにも恐ろしい手紙を読みながら平気の平左で、即座に玲子さんを欺して、この僕をオビキ寄せさせようとした、あの智慧の物すごかったこと……僕はあのルンペン男の背後に隠れて聞きながらゾッとしてしまいましたよ」
と言いさして中林先生はホッとふるえたタメ息をした。玲子もまたガタガタふるえ出しそうになったのを中林先生の腕に縋ってやっと我慢した。
「けれどもあの時にあの女がアノ手紙を読んだり、その文句を冷やかしたりさえしなければ、あの女は殺されなくともよかったのでしょう。『雉も啼かずば撃たれまいに……』という諺の通りであの女は命を取られる運命を自分で招きよせたのでした。……あの手紙を読んでいる中にあの女が、あの女の前の夫を馬鹿にしている。自分を怨んでいる前の夫の脱獄囚を嘲笑い振り棄てて自分一人でうまいことをして逃げようとしている。うっかりすると又、警察へ密告する気かも知れない……と気がついたのであの男はカアッとなってしまったのでしょう。