Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
かいだんいちやぞうし
綺堂随筆 江戸のことば
岡本 綺堂
Lesen Sie 綺堂随筆 江戸のことば (かいだんいちやぞうし) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.152 Zeichen · 27 Bildschirme
宗右衛門という人は、そのころ四十四、五で、御新造には先年死に別れたというので独身でした。ひとり息子の余一郎というのは二十歳ぐらいで、色の白い、おとなしやかな人でした。
浪人ですから、これという商売もないのですが、近所の子ども達をあつめて読み書きを教えたりして、いわば手習い師匠のようなことをしていました。勿論それだけでは活計が立ちそうもないのですが、いくらか貯えのある人とみえて、無事に七、八年を送っていました。お父さんは寝酒の一合ぐらいを毎晩欠かさずに飲んでいました。
この親子の人たちが初めてここへ越して来た時は、わたくしもまだ子供でしたから、委しいことはよく知りませんが、近所の者はこんな噂をしていたそうです。
「あの人たちも今に驚いて立ち退くだろう。」
それには子細のあることで、その家に住む人には何かの祟りがあるとかいうので、五、六年のあいだに十人ほども変わったそうです。なかには一と月も経たないうちに早々立ち退いてしまった人もあるということでした。一体どんな祟りがあるのか、わたくしもよく知りませんが、ともかくも五、六年のあいだに、その家からお葬式が三度出たのは、わたくしも確かに知っています。