Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

わなにかかったひと

罠に掛った人

甲賀 三郎

Lesen Sie 罠に掛った人 (わなにかかったひと) von 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.112 Zeichen · 21 Bildschirme

Aozora Bunko

部屋の中ほどの床板の上に、燃えさしの短い蝋燭が立っているではないか。彼が先刻この部屋を出かけた時には、最後の蝋燭が燃え切ったので、現にその痕が一たらしの蝋の上に、真似ばかりの尖の焦げた芯がついたまま、別に床板に残っている。して見ると、この燃えさしの蝋燭は、彼が出てから誰かが持って来たものだ。無論それは伸子に違いないのだ。

では、妻は一度帰って来たのだ。そうして、彼の姿が早えないので、又どこかへ出かけたものと見える。一体どこへ出かけたのだろうか。出かけたにしても、行く当もない彼女はもう帰って来そうなものだ。彼は一層不安になり出した。

彼は外に出て妻を探そうかと思った。然し、当がないのであるから行違いになる恐れがある。彼はどうする事も出来ない不安に、気をいら立たせながら、四辺を見廻した。

と、部屋の隅に手紙らしいものが置かれてあるのが、初めて眼についた。彼はドキンとしながら、飛びつくようにしてそれを手に取った。

それは確かに伸子の置手紙だった。

友木はあわてて読み下したが、彼の顔色は忽ちサッと蒼くなった。手紙には次のような事が書かれていたのだった。