Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
うつくしいむら
美しい村
堀 辰雄
Lesen Sie 美しい村 (うつくしいむら) von 堀 辰雄 (ほりたつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 42.946 Zeichen · 84 Bildschirme
「そうか」私はわかったような振りをした。「……おとっつあんは何をしているんだ?」
「木樵りだなあ」とこんどはまた兄が弟の方を見い見い言った。
「変なとっつあんだ」弟は顔をしかめながらそれに答えた。
氷倉の蔭から、再びちらりと小娘らしい顔が出たようだったけれど、私たちの方からは丁度逆光線だったので、よくもそれを見分けないうちに、その顔はすぐ引っ込んでしまった。それっきりその小娘は顔を出さなかった。ただ私たちはそれから間もなく異様な叫びを耳にした。それはその小娘が私たちを罵ったのか、それとも私たちには見えぬ小屋の中からその小娘に向ってそれが叫ばれたのか、それとも又、その裏の林のなかで山鳩でも啼いたのだろうか? ともかくも、その得体の知れぬアクセントだけが妙に私の耳にこびりついた。――が、私たちは無言のまま、ただちょっと足を早めながら、その空地を横切って行った。私たちはそれから再び林の中へ這入った。その中へ這入ると急に薄暗くなったようだけれど、私たちの眼底にはいまの空地の明るさがこびりついているせいか、暫らく私たちの周りには一種異様な薄明りが漂っているように見えた。