Japanische Klassiker mit Furigana
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びじんたかじょう
美人鷹匠
大倉 燁子
Lesen Sie 美人鷹匠 (びじんたかじょう) von 大倉 燁子 (おおくらてるこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.870 Zeichen · 26 Bildschirme
遺書
「お前は一度も正式の結婚をしていないが、子供の父親は誰なんだ?」
女はハッとしたように眼を上げ、少時黙っていたが、急に捨てばちになり、
「御用聴きの若衆さんで――、それや迚も奇麗な男でしたわ、オホホホホホホ」とヒステリックな声で笑った。
遺書
小夜子は一人息子の達也を失って以来、すっかり気を落して、一室に閉じ籠り、悲歎にくれていた。
犯人は美人鷹匠、即ち以前の召使花であると聞いて、松波博士は非常に驚いた。
小夜子は彼女にどんな判決が下されるものだろうと、訊いてみた。
「無論、極刑だ。――怪しからん。あんな女が死刑にならないでどうする――」
夫人は卒倒してしまった。
その夜、小夜子は自殺したのだった。
打ち続く不幸に、世間では博士に痛く同情した。新聞は夫人の自殺を、愛児を失った悲しみから、極度の神経衰弱に陥ったためであると報道した。
無論博士自身もそう信じきっていたのだッたが、はからずも手箱の中から一冊の洋書と遺書とを発見したことによって、死の原因は根本から覆えされてしまった。洋書は鼠色の表紙にフランツアーベル著、トキシコロギーとあって、九十二ページのところが折ってあッた。