Japanische Klassiker mit Furigana
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ろうふうふ
老夫婦
黒島 伝治
Lesen Sie 老夫婦 (ろうふうふ) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.957 Zeichen · 27 Bildschirme
彼等は嫁が傍にいると、自分達同志の間でも自由に口がきけなかった。変な田舎言葉を笑われそうな気がした。
女事務員が為吉にだけは親切だったように、園子は両人に対して殊更叮寧だった。しかし両人は気が張って親しみ難かった叮寧さが、嫁の本当の心から出ているものとは受け取れなかった。
「おばあさんに着物を買ってあげなくゃ。」
「着物なんかいらないだろう。」
「だってあの縞柄じゃ……」
園子は、ばあさんの着物のことを心配していた。彼女の眼のさきで働いているばあさんの垢にしみたような田舎縞が気になるらしかった。ばあさんは、自分のことを云われると、独りでに耳が鋭くなった。丁度、彼女は二階の縁側の拭き掃除が終って、汚れ水の入ったバケツを提げて立ったまゝ屋根ごしに近所の大きな屋敷で樹を植え換えているのを見入っているところだった。園子は、ばあさんがもう下へおりてしまったつもりで、清三に相談したものらしかった。
「うら等があんまりおかしげな風をしとるせにあれが笑いよるんじゃ。」ばあさんは気がまわった。
「そんなにじゝむさい手織縞を着とるせにじゃ。」じいさんは階下の自分等にあてがわれた四畳半で手持無沙汰に座っていた。