Japanische Klassiker mit Furigana
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ろうふうふ
老夫婦
黒島 伝治
Lesen Sie 老夫婦 (ろうふうふ) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.957 Zeichen · 27 Bildschirme
二
両人は、息子のために気まずい云い合いをしながらも、息子から親を思う手紙を受け取ったり、夏休みに帰った息子の顔を見たりすると、急にそれまでの苦労を忘れてしまったかのように喜んだ。初めのうち、清三は夏休み中、池の水を汲むのを手伝ったり、畑へ小豆の莢を摘みに行ったりした。しかし、学年が進んで、次第に都会人らしく、垢ぬけがして、親の眼にも何だか品が出来たように思われだすと、おしかは、野良仕事をさすのが勿体ないような気がしだした。両人は息子がえらくなるのがたのしみだった。それによって、両人の苦労は殆どつぐなわれた。一年在学を延期するのも、息子がそれだけえらくなるのだと思うと、慰められないこともなかった。
「清よ、これゃどこの本どいや?」為吉は読めもしない息子の本を拡げて、自分のものゝように頁をめくった。彼には清三がいろ/\むずかしいことを知って居り、難解な外国の本が読めるのが、丁度自分にそれだけの能力が出来たかのように嬉しいのだった。そして、ひまがあると清三のそばへ寄って行って話しかけた。
「独逸語。」
「……独逸語のうちでもこれは大分むずかしんじゃろう。