Japanische Klassiker mit Furigana
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おうがいのけんこうとし
耄碌寸前
森 於菟
Lesen Sie 耄碌寸前 (おうがいのけんこうとし) von 森 於菟 (もりおと) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 43.925 Zeichen · 89 Bildschirme
おでこの石川啄木は故郷の山河に別れて間のないころであったろう、頭に浮んだ歌を特有のキンキン声で口ずさむと父が大声で笑う。北原白秋は既にキリシタンの詩で知られており、平出修は幸徳秋水を弁護することで父に相談にきた弁護士である。木下杢太郎は東大医科の学生太田正雄で私より数年の先輩。大久保栄さんが生きていたらこの中にいるだろうにと私は思う。平野万里は工学士で私の幼なじみ、私が里子に行った大学前森川町の煙草店の長男で当時私の「兄ちゃん」とよんだ人。このほかに「アララギ」派では伊藤左千夫のほか時々斎藤茂吉、小泉千樫など。「心の花」の一家ではほとんど佐佐木さん一人、まれに川田順がみえるくらいであった。この晩にこれだけ顔がそろっていたのではない。平野さんはたしかにいて、その前には集めた歌稿を整理する小机があり、そこらに無地の洋紙を細長く切ったのが散らばっていた。私は前年九月大学の医科に入ったばかりで一年生だった。ふだんこんな席に顔を出さないのだが、何か父に用事があったのであろう。平野さんは前から私が「万年艸」にグリムの翻訳を出すのを知り、中に短詩があったのを見てから、私をあらためて自分の弟分にしようとする下心があったのか、この時「於菟さんも歌をよみませんか。