Japanische Klassiker mit Furigana
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せいアレキセイじいんのさんげき
聖アレキセイ寺院の惨劇
小栗 虫太郎
Lesen Sie 聖アレキセイ寺院の惨劇 (せいアレキセイじいんのさんげき) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 32.638 Zeichen · 65 Bildschirme
…少なくとも、鐘声と一寸法師とが偶然の逢着でさえなければ、因果関係の結論として、いかなる形体にせよ、聖堂の中へ残されたものがなければならない。凍った地面がバリバリ砕けて、下の雪水が容赦なくはねかかった。やがて、幾百と云う氷柱で薄荷糖のように飾り立った堂の全景が、朧気に闇の中へ現われた。
出入口の把手を捻ってみると鍵が下りているので、ルキーンは検事を振り仰いで、
「一つ、そこに下っている綱を引っ張ってみて下さい。それで鳴る鳴子が親爺の方にも娘の方にも、両方の室にあるのですから。」
ところが、検事が懸命に引く鳴子に対して、内部から誰一人応ずるものがない。そのくせ、内部で鳴っている音が、戸外にいる彼等にも判然と聴き取れるので……、今か今かと待つうちにも、よほどの時間が経過してしまった。
「ただごっちゃないぞ。」奥歯をギリリと鳴らして、検事が綱から手を放すと、その手に法水は合鍵の束を与えた。そして、七本目がようやく合って、扉が開かれた。
法水の細心な思慮は、いち早く階段を駈け上ろうとする二人を引き止めて、まず検事に、今入った入口の扉際で張り番をさせ、自分はルキーンを伴って、階下の室々を調べ歩いた。