Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
せいにょにんぞう
聖女人像
豊島 与志雄
Lesen Sie 聖女人像 (せいにょにんぞう) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.549 Zeichen · 28 Bildschirme
――清子は、この保倉の息子を、婆やのように無視するのではなく、やさしくそして平然と眺めることだろう。存在する凡てのものを、ありのままの姿でいたわり眺める、そういう彼女なのだ。
久子はいつも、保倉の息子の気配を感ずると、挑戦するように飛び出してゆく。そして彼が逃げてゆくと、それについては何も言わずに、他のことを言う。
「あら、百日紅がきれいに咲いてるわ。紅と白と……。少し頂けないかしら。清田のおばさまのお墓に持っていきたいわ。」
私は戸惑いさせられるのだ。夫婦喧嘩だの保倉の息子だのと、清田のおばさまとは、何と縁遠いことか。――清田のおばさまは、彼女の気転で思いつかれるのか、それとも常に彼女の心の中にあるのか、私は知らない。
然し、庭の百日紅はまったく綺麗だ、上方が折れ朽ちてる桜の古木の横手、山茶花や木斛や木犀や檜葉などの茂みの中に、鮮紅色と白色との花が群がり咲いている。緑葉の茂みの中に仄見えてるから殊によい。それをじっと見ていると、花の憂愁とも言えるものが心に通ってくる。――花の憂愁、いや、私の心の孤愁なのであろう。
私は酔うと、ひどく酔うと、頭脳が硬ばってくるのを感ずることがある。