Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

むこ

聟

宮本 百合子

Lesen Sie 聟 (むこ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.901 Zeichen · 8 Bildschirme

Aozora Bunko

「――あんまり、あせりなさらない方がきよ子さんのためでしょう」

それは詮吉の実感であった。詮吉はお豊母娘の勤労者らしい地味な親切をよろこび、いい下宿を見つけたとは思っていたが、きよ子に対しては、自身の困難な毎日の活動条件から、全然問題にしていなかった。

お豊の方はそうとは知らず、ひたすら自分の目がねの違わなかったのをよろこぶ風で、

「あなたがそうおっしゃることは、わかっておりましたよ。ですからね、猶更私の身にして見れば、ああこんなお方をと思うんですよ」

そして、両眼に涙をうかべながら、

「あなたのような息子が一人あってくれたらねえ」

信じきった眼つきで詮吉を見て笑った。

昔から小糠三合もったら養子に行くなというくらいだから、御覧のとおり何一つないうちへ来てくれとは決して云わない。ただ、生れた子に後をつがせて貰えれば満足だ。きよ子さえあなたに頼めば、もう自分は安心して目が瞑れる。お豊は娘ばかり持った親の苦労を訴えた。

それやこれやから、話は故郷のことに移った。その場合も詮吉は謂わば一つのたしなみで、生れた故郷ではない、育った第二の故郷について、物を云っているのであった。