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Japanische Klassiker mit Furigana

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しょっこうとびしょう

職工と微笑

松永 延造

Lesen Sie 職工と微笑 (しょっこうとびしょう) von 松永 延造 (まつながえんぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.696 Zeichen · 144 Bildschirme

Aozora Bunko

けれども私の説明をその儘論文の中へ書き込むのは偽りのない所であった。

私はそれでも好い周囲を恵まれてから、段々と怨恨や不満を抑制するように努力し初めて居た。悪い心が起ると、静かに書見などをして気を散らす方法を覚えるに至った。私は自然、自分の幸福を感ずるようになり、古い悪事を想起する事で心を痛めるようにもなった。自分が精神上の片輪であると云う意識が眼覚めてからは、何うかしてその片輪を治そうとする欲求で心を一杯にしていた。だが一体何がその結果であったろう。

此処に又いけない支障が起って来た。私はあるアバずれな婦人患者に思いを掛けられ初めた。女の愛欲が私の心に響くと、その反応が浅間しく私を焼いた。私は恋を感じ初めた。それに伴随して残忍な気持がたえず行き来するのは一体何う云う訳であったろう。私はその年上の女が憎いように思われ、それをいじめてやろうとする欲望で一杯になって居た。私は興奮すると直ぐ残忍になった。その年上の女ばかりではない、院長の令嬢も私を大分好いているのが私の心へ響いていた。彼の女が色眼を呉れる事、肱を触れる事等が私に可笑しく思われた。けれど彼の女は未だ耐える力を失ってはいなかったらしく、又私が罪人である事や、妹が白痴であることから、私を恐れ嫌っている風でもあった。