Japanische Klassiker mit Furigana
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にくたい
肉体
豊島 与志雄
Lesen Sie 肉体 (にくたい) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.219 Zeichen · 26 Bildschirme
彼は云い、よし行こうというので、出かけましたが、少し歩いてるうちに、こんな時は、街に落ちてる天使でも拾った方がいい、思いきって泥濘の中を覗きこむ時、本当に清純な反抗心が起るものだと、その議論になって、そのうちいつしか二人別れ別れになり、私は家に戻ってしまいました。
翌日、宿酔の気味で、私はぼんやりしていました。鼻のつんと高い口許のしまった、インテリめいた女給の顔が、思いがけなく頭に浮んできたり、心の底に、ちらちらと、捉え難い火花が閃めいたり、もう息をするのも嫌なような、深い憂愁に沈んだり……なんだか自分で自分が分らなくなっていますと、午すぎに、小野さんから電話です。はっとして、急いで立っていきますと、電話の主はトキエで、子供が病気だからすぐに来てくれと……。
行ってみると、トキエはいつもの落着いた様子で、すみませんと、笑顔をしています。だが、子供は九度以上の高熱で、かっとほてって、そして水分の乏しいようなしなび方をして、昏々と眠り、時々手足の筋肉を、ぴくりぴくりさしています。前々日の晩から熱が出て、乳ものまず、肺炎らしいとのことでした。私はそれを、胸にぎゅっと抱きしめたい衝動にかられました。