Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にくたい

肉体

豊島 与志雄

Lesen Sie 肉体 (にくたい) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.219 Zeichen · 26 Bildschirme

Aozora Bunko

然し、私は悲痛なんか感じたことはないのです。ミヨ子の死とは遊離した別個のものでした。其他のことは何が悲痛なもんですか、驚嘆なもんですか。尤も、妊娠を避けるような方法も取ってはいましたが、のんきな彼女とよく酔払ってる私とのことで、そしてまた至極あっさりしたもので、考えてみればばかげた話です。それでも……悲痛をくぐった後の驚嘆と……まあそういったこの感情は、実際不思議なものでした。

――一体、どうするつもりかしら?

その疑問は、もう今となっては彼女には歯も立ちそうにありません。ただ、私自身にはね返ってくるばかりです。いや初めからそれは、私自身に向って発せられるべきものだったかも知れません。

相変らず彼女は、店の方は……元来が申し訳だけのものではありましたが……投げやりで、朝は遅く、夜も遅く、始終お化粧をしていてにこやかで、以前よりは肌も細やかになり、黒目のうわずった眼付で愛嬌をおび、のんきに髪結や長唄の稽古に出かけ、私がいかに酔払って夜遅くやって来ようと、やきもちらしい言葉一つ出さず、誘えばどこへでもすぐについて来、自分の意見なんか少しもないらしく、慾求さえもないらしく、そして再び、毛糸の球なんか膝のあたりにころがして……妊娠さえも彼女にとっては「ええいいわ」