Japanische Klassiker mit Furigana
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はだいろのつき
肌色の月
久生 十蘭
Lesen Sie 肌色の月 (はだいろのつき) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 50.706 Zeichen · 101 Bildschirme
額のほうはいいとしても、首のつきかたも肩の張り方も、ここがこうと指摘できるほど、はっきりとちがうが、それを言いだせば、またむずかしくひっかかってくる。
久美子は浮かない顔で考えこんでいたが、どうしたって真実を告げずにすますわけにはいかないので、思いきっていった。
「確認するもしないも、写真のひとが大池忠平にまちがいないのなら、ロッジにいたのは、確実にべつなキャラクターだわ」
主任は眉をひそめて、背筋をたてた。
「大池じゃないって?」
「よく似ているけど、はっきりとちがうのよ」
そうして、異なる印象のニュアンスを、できるだけくわしく説明した。
主任は薄眼になって聞いていたが、やりきれないといったようすで、クスクス笑いだした。
「さすが、芸術家の観察はちがったもんだね。お話は伺ったがデリケートすぎて、われわれにはよくわからない。レンズには収差というものもあるし、額のあたりにハイ・ライトがかかると、実際より強い感じになることもある……あまり世話を焼かせずに、署名したらどうだ」
「それでいいなら、喜んで署名するけど、キャラクターだけのことではなくて、ほかにも、いろいろと妙なことがあったのよ」