Japanische Klassiker mit Furigana
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はいたい
胚胎
宮本 百合子
Lesen Sie 胚胎 (はいたい) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.077 Zeichen · 55 Bildschirme
王 いかにもじゃ。
わしが一番そなたと申すものは恐ろしい人間じゃと思うたのは今でもよう覚えて居る。
秋の初め頃わしが白い着物を着てリンゴの木にのぼって枝にのぼって皮のままに大きな実をたべて居るのをそなたが見つけてのう、
不意に斯うどなったのじゃ。
そこに居るのはどこの下郎の子じゃ、
早う下りて参れ、折檻してつかわす。
とな。
そなたの主人じゃ、わしじゃ。
と幾度申しても、
いくらお小さくても皇帝におなりなされるお方は木にはおのぼりなされても下郎の子の様にかくれ食い等はなさらぬものじゃ。
もそっとお身を貴くお思いなされるものじゃ。
必してわしのお主人ではないのがリンゴの皮のきたなく落ちて居るのでわかるのじゃ。
と申していつまでたっても立って居って、やがて向へ参いった時にこっそりと逃げて部屋にかくれて居った事があったのでの。
老 その様な事もござりましたかのう、まるで十年も前に見た夢の様に思い出す事さえよう致しませなんだ。
この貴方様にその様な事を申上たのも忘れて居ればこそ、さもなくば思い出す事がある毎にあまりの申上かたに御目にかかる事さえ出来ぬでござりましょうのう。