Japanische Klassiker mit Furigana
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はいたい
胚胎
宮本 百合子
Lesen Sie 胚胎 (はいたい) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.077 Zeichen · 55 Bildschirme
王 しかし、この様な思い出は考えたくもない事をしみじみと考えなけらばならぬわしをこの上なく慰めて呉れるでの、そしてその時だけもその時の罪のない幼子の心持で居らるるのじゃ。
一番罪の深いのは「王」と名のついた者と昔からきまって居るのじゃ。
法に随って大勢のためには老先の長いものの命も縮むるし威を守るためには又心にもない荒立った事をしなければならぬのは「王」と云うものの一生の仕事としなければならぬ事でのう。
老 のう、貴方様、下郎は、武士の身を、お主に捧げた自分のもので自分のものでない命を持って居るのは思わいで、
武士であったらなあ、
と思いますものでの。
武士は明け暮れ血眼で居らねばならぬ諸公の身分をうらやみ、諸公は王をうらやんで、すべてのものに仰がるる王は又神をうらやみ、下っては只一振りの剣が命の武士をうらやむと申すのは神でのうてはわかり得ぬほどいつの世にも変らぬ不思議な事の一つでござりますのう。
王 しかし、それはいつまで立っても人間にはわからぬ事に違いないのじゃ。
神の御領内にあまり人間の手の届くのは良くない事だからのう。
老 この頃は病をいやす薬が人間の手で出来る様になりましてのう。