Japanische Klassiker mit Furigana
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はいたい
胚胎
宮本 百合子
Lesen Sie 胚胎 (はいたい) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.077 Zeichen · 55 Bildschirme
私が貴方様を「和子」とお呼び申して居った時より尚ずんと前の事でござりまするのじゃから世の中は今とは不思議なほど変って居りましての、今よりずんとわかり易う世の中の事のすべてが出来て居りましたじゃ。
男も三つに分ければすべてがすみまして一つはやたらに「けんか」がすきでまるで「けんか犬」の様に人間さえ見ればかみついたり吠えついたりする御仁と次には「名誉」に寝るとから起きるとまでうなされるお人と、恋を恋して居るお人とでの。
「けんか犬」の様なお人は甲冑と武器と馬の手入にきも入りして甲冑の裏に「のみ」ほどの曇りがある、馬の毛並が一本乱れて居るがお気に入らなんで御家来衆を試斬りになされたもので、尊がられるお館毎の御台所をほっつきめぐってごみだらけの汗みどろになってござったのは名誉にうなされるお仁でござりましたのじゃ。
御身なりと楽器と花束についやすお金で身代限りまでなされて文を送った婦人の門にパンのかけらをほおばりなされたり、歌う声をよくしようとて滝壺に座って歌ってござるうちに目がまわってそのままどこに行かれたか先のわからぬ様になられたも、フトもれきいた歌声とチラとかい間見た後姿に命がけでしのんで行かしゃったら思いもかけぬ御年よりで片目で菊石だらけでござったのに驚き様があまりはげしゅうてそのままはかなくなって仕舞う