Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はいたい

胚胎

宮本 百合子

Lesen Sie 胚胎 (はいたい) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.077 Zeichen · 55 Bildschirme

Aozora Bunko

ごく冥想的な低いかすれながら美くしい声で目をつぶってうたい出す、少し調子の後れ加減になるほどゆるく。

寝ませ和子よ

水色絹の

帳の裡に

夢まどらかに

バラの香りと

小鳩の声の

夢の御国を

おとのうまで

ねませ和子よ

夢まどらかに……

とのう。

したがあまり永く神のお恵を受けたので声がしわがれておねかし申した和子もこの様に御成人なされてわたくしがお寺の草の下に眠る様になればやがてこの歌をくり返すものもなく覚えて居るものさえなくなりまするでのう。

いとしい御方様じゃ。

王の心の中は老人の唄った子守唄から生れた何とも云えない一種の悲哀がみなぎって歌の余韻を追う様にうす暗い隅を見つめる。老人は何もかも忘れた様に大きな額を少しうつむけていつの間にか居眠って居る。

王 (老人のかすかないびきに驚いて)おう! もうねてじゃ。

まるで幼子の様に心持良さそうにいびきまでかいて居る……

誰か居るか!

小姓(部屋の隅から出て来る、いかにもねむそうな顔つきをしながら)陛下! お呼び遊ばしましてすか?

王  いかにも――

これ風を引くといかぬ。

わしが無理であったのう、部屋に参って暖かく寝むのじゃ。