Japanische Klassiker mit Furigana
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はいたい
胚胎
宮本 百合子
Lesen Sie 胚胎 (はいたい) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.077 Zeichen · 55 Bildschirme
廻りかねたる智恵助に
憂き目を見せてござるうち
こすい狐はうまうまと
ばかしおおせて猟人を
あちら、こちらと、引き廻す
西へ五里、東へ三里とあゆむうち
でっかい沼についた時
長い旅故疲れたろ
水なと浴びて行きなされ
狐は笑うて云うたげな
雪はコンコン、霰サラサラ
冬の最中であった故
衣裳を抜ぐとそのまんま
いてて仕舞たとやれそれ
なんまいだあ トララヨウ――
祝福を願って集った人の群はますます数をます。
広場には人のどよめきと共に話す人声が随分とやかましい。
うす闇のたちこめた空の中に影の様な人が後から後からと押しよせて来る。
押されて低く罵るものの声もする。
恐ろしい死をもたらす様な人の影の形にとりかこまれて法王は段々短かい生命になって来る。
軽くおそって来る苦痛に法王は娘の頭を押えつける様にする。
娘 (上目で法王を見あげながら)あ! あ! あ!(小さく叫んで震える)
第二の若僧 お師様が――
法王のそばに飛びよる。
老僧は静かにその後に立って、消えかかる灯の様な法王の命を見守る。
法王 神の――又――
法王は絶え入る。
うす暗がりの部屋の裡で恐ろしく集った人の群は魔の影の様に音もなくひしひしと中央にせまって来る。