Japanische Klassiker mit Furigana
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せいのひくいとがったおとこ
脊の低いとがった男
小川 未明
Lesen Sie 脊の低いとがった男 (せいのひくいとがったおとこ) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.232 Zeichen · 5 Bildschirme
途中、太郎は、桑圃の間を通ったのであります。この道は、毎日通らなければならぬ道でしたが、このときは、ただ太郎一人でありましたから、右を見たり、左を見たりして、道草をくってやってきました。
すると、一本、桑の枝が目にはいりました。もし、この枝を根もとのところから切ったら、じつにいいつえが造られたからです。また、つえなどを造らなくとも、その根もとはじつに太く、そして枝は、おもしろく曲がりくねっていて、見るばかしでも好奇心をそそらせるようなものでした。
「あの枝がほしいな。」と、いって、太郎は、ぼんやりとたたずんで見ていましたが、ふと彼は、自分のかばんの中に、切れる小刀がはいっていたことを思い出したのであります。
太郎は、にっこりとしました。あの小刀で切りさえすれば、どんな枝でも切ることができると思ったからです、彼は、カバンの中から小刀を出そうとしました。そして、だれか、見ていはしないかと、あたりを見まわしました。もし、百姓が、見つけたなら、きっと走ってきてしかるからであります……。太郎は、うしろを振り向いたときに、びっくりしました。なぜなら、そこには、脊の低い、頭のとがった男が青い顔をして立っていたからです。