Japanische Klassiker mit Furigana
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のうのなかのれいじん
脳の中の麗人
海野 十三
Lesen Sie 脳の中の麗人 (のうのなかのれいじん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.774 Zeichen · 28 Bildschirme
「なんだ、金のことか。五十円ぐらい、ないでもないが、見ず知らずの君に、なぜ貸さねばならないか、その訳がわからない」
宮川も、すこし落付をとりもどして、逆襲したのだった。
「ははあ、その訳ですか。あなたは本当にご存知ないのですか。これはおどろきましたね」といって、矢部は帽子を脱いだ。
「なんだい、そ、それは……」
宮川はさっと顔色をかえた。矢部が帽子をぬぐと、なんとその下からは、ぐるぐる巻に繃帯した頭が現れたのだった。
「これでお分りになったでしょう。あなたが、頭に大きな傷をうけて、もう死ぬしかないという切迫つまったときに、ここから僕の脳髄の一部を裂いて、あなたの脳につぎあわせたんです。見事にその大手術をやってのけた黒木博士も、あなたの再生の恩人なら、脳髄を提供した僕もまた、あなたのためには大恩人なんですよ。それを忘れて、僕を袖にするなんて、そんな恩しらずなことがありますか」
怪青年矢部は、とんでもないことをいいだした。
脳を売った男
「うそだ、うそだ。そんなことはうそだ」と、宮川はつよく否定した。
「なに、僕がうそをいっているんですって」と怪青年矢部は唇を曲げて笑い、「あははは、そう思いますかね。