Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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りんじゅうまで

臨終まで

梶井 久

Lesen Sie 臨終まで (りんじゅうまで) von 梶井 久 (かじいひさ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.912 Zeichen · 10 Bildschirme

Aozora Bunko

もうすっかり覚悟しなければ成らなくなりました。ああ仕方がない、もうこの上は何でも欲しがるものを皆やりましょう、そして心残りの無いよう看護してやりましょうと思いました。

此の時分から彼は今まで食べていた毎日の食物に飽きたと言い、バターもいや、さしみや肉類もほうれん草も厭、何か変った物を考えて呉れと言います。走りの野菜をやりましたら大変喜びましたが、これも二日とは続けられません。それで今度はお前から注文しなさいと言えば、西瓜の奈良漬だとか、酢ぐきだとか、不消化なものばかり好んで、六ヶしうお粥をたべさせて貰いましたが、遂に自分から「これは無理ですね、噛むのが辛度いのですから、もう流動物ばかりにして下さい」と言いますので、それからはズット流動物にしました。

三月十七日の朝、眼を覚すと顔が平常の二倍位に成って居ります。私はハッと驚きましたが知らぬ顔をして居ました。すると「お母さん。顔がこんなに腫れました。手も腫れました。眼が充分明けません。一寸鏡を貸して下さい」と言います。その時私は、鏡を見せるのはあまりに不愍と思いましたので、鏡は見ぬ方がよかろうと言いますと、平常ならば「左様ですか」