Japanische Klassiker mit Furigana
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じさくしょうぞうまんだん
自作肖像漫談
高村 光太郎
Lesen Sie 自作肖像漫談 (じさくしょうぞうまんだん) von 高村 光太郎 (たかむらこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.162 Zeichen · 9 Bildschirme
今度は漫談になるであろう。この前肖像彫刻の事を書いたが、私自身肖像彫刻を作るのが好きなので、肖像というと大てい喜んで引きうける。これまでかなりいろいろの人のものを作った。
昔、紐育に居てボオグラム先生のスチュジオに働いていた頃、暫く同じ素人下宿に居られた鉄道省の岡野昇氏といわれる人が、私に小遣取をさせる気持で肖像を作らせてくれた。肖像で報酬をもらったのはこれが生れて初めての事なのでよく憶えている。先生の所で昼間働いて夕方帰って来てから岡野さんに坐ってもらった。日曜は休みなので朝から勢いこんで作った。七八寸位の小さなものであった。それを石膏型にとって岡野さんは帰朝される時持ちかえられたが、帰国後石膏に斑点が出たという通知があった。その頃はその人に肖せる事だけがやっとの事で彫刻としての面白さなどはまるで無いものであったろうと思われる。「兄貴に似ている」と岡野さんが言われたので、それなら他人と間違えられる事もあるまいと思って稍安心した事を記憶している。令兄は法学博士岡野啓次郎氏という事であった。岡野昇さんは鉄道線路とシグナルとの設計見学に外遊せられていたのであったが、其頃の大宮駅の線路は同氏の設計らしく、引込線を錆びさせないように苦心するのだと常に言って居られた。