Japanische Klassiker mit Furigana
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じじょでん
自叙伝
大杉 栄
Lesen Sie 自叙伝 (じじょでん) von 大杉 栄 (おおすぎさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 115.021 Zeichen · 230 Bildschirme
僕は誰だかの『ビスマルクと国家社会主義』をその参考に持って来ていた。で、まずざっとその本を読んで見ようと思った。
が、こうして落ちついて机の前に坐ると、急にまた風邪の熱で頭の重いことが思い出されて来た。熱でばかりではない、いろいろな雑念で重いのだ。
僕は神近とはもうどうしてもお終いだと思った。彼女とできて半年あまりの間に、このもうお終いだという言葉が、彼女の口から三、四度も出た。が、こんどは、それを初めて僕の方から言い出そうと思った。
最初は、彼女との関係後二カ月ばかりして、さらに伊藤との関係ができかかった時、彼女からずいぶん手厳しくそれを申渡された。
「きょうはきっとあなた、どこかでいいことがあったのね。顔じゅうがほんとうに喜びで光っているわ。野枝さんとでも会って?」
ある晩遅く彼女を訪ねた時、顔を見るとすぐ彼女は言った。僕はそれまではそんなに嬉しそうにしていたとも思わなかったが、そう言われて初めて、彼女の言葉通りに顔じゅうが喜びで光っているような気がした。そして実際また、彼女の言った通り、今伊藤と会って来たばかりだったのだ。しかも、いつも亭主が一緒なのが、その日は初めて二人きりで会って、初めて二人で手を握り合って歩いて、初めて甘いキスに酔うて来たのだった。