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Japanische Klassiker mit Furigana

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じじょでん

自叙伝

大杉 栄

Lesen Sie 自叙伝 (じじょでん) von 大杉 栄 (おおすぎさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 115.021 Zeichen · 230 Bildschirme

Aozora Bunko

母はずいぶんもどかしがりながらも、そのできあがるのを喜んで、自慢で人に見せていた。しかし僕は、それよりも、よそから来る手紙を母に読んで聞かせる方が、よほど得意だった。

ある日僕は学校から帰って来た。そしていつもの通り「ただ今」と言って家にはいった。が、それと同時に僕はすぐハッと思った。母と馬丁のおかみさんと女中と、それにもう一人誰だったか男と、長い手紙を前にひろげて、みんなでおろおろ泣いていた。僕はきっと父に何かの異状があったのだと思った。僕は泣きそうになって母の膝のところへ飛んで行った。

「今お父さんからお手紙が来たの。大変な激戦でね、お父さんのお馬が四つも大砲の弾丸に当って死んだんですって。」

母は僕をしっかりと抱きしめて、赤く脹れあがった大きな目からぽろぽろ涙を流して、その手紙の内容をざっと話してくれた。

場所は威海衛だ。父の大隊は海上に二艘日本の軍艦が浮かんでいるので、安心して海岸の方へ廻って行った。するとその軍艦が急に日章旗をおろして砲撃を始めた。それが鎮遠、定遠だとかいうことだった。父の大隊は驚いて逃げだした。するとこんどはその逃げ出すさきの丘の方から、味方の軍隊が盛んに鉄砲を打ち出した。