Japanische Klassiker mit Furigana
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じじょでん
自叙伝
大杉 栄
Lesen Sie 自叙伝 (じじょでん) von 大杉 栄 (おおすぎさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 115.021 Zeichen · 230 Bildschirme
母は大勢の子供をほったらかして、半日も一日も、近所のやはり軍人仲間の島さんのところへ行ってよく遊んでいた。そして子供等の上には、女中に絶対の権力を持たしていた。
喧嘩もよくした。
「自分のことではまだ人にあやまったようなことはないんだが、この子のためにだけはしょっちゅうあやまり通しですからね。」
母はよくこう言って、喧嘩の尻を持って来られる愚痴をこぼしていた。そして僕は父や母がただあやまるだけでは済まないようなことまでも幾度も仕出かした。
高等二年の時だ。同じ級の、しかしたぶん違う組の、西川というのと何かの衝突をした。僕が甲組第一のあばれもので、彼は乙組第一のあばれものであったのだ。僕はその日の帰り路があぶないと思った。そしてひそかに、習字の紙の圧えにする鉄の細長い「けさん」というのを懐ろに入れて、何食わん顔をして学校を出た。はたして西川は僕のあとについて来た。彼の家は僕の家とあべこべの方向にあったのだ。そして彼のあとにはその仲間の七、八名がついていた。
僕はいつものように、衛戍病院の横から練兵場にはいった。そしてそこへはいるとすぐ右の手を懐ろに入れて用心していた。