Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しぜんのめぐみ

自然の恵み

中谷 宇吉郎

Lesen Sie 自然の恵み (しぜんのめぐみ) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.154 Zeichen · 19 Bildschirme

Aozora Bunko

ただ数年前まではよくわかっていなかった結晶のかくのことだけは、一寸書いておく必要がある。

その本体からいっても、またその出来方からいっても、雪に一番よく似ているものは、霜である。もっとも霜には二種類あって、一種類は結晶ではないが、他の一種類は立派な結晶になっている。この霜の結晶と、雪の結晶とは非常に似たものであって、そのちがいは出来る場所だけの差である。霜の方は、地上の物体、例えば草とか、石とかいうものの上に出来た結晶であり、雪は大気中で出来た結晶であるという、それだけのちがいである。大気というのは、地球上に実際にある空気という意味である。本体は、ともに氷の結晶であるが、霜の方は、地上の物体の上に出来るので、ふつう上の方へ半分しか発達しない。下の方は、その物体がじゃまになるのでのびられない。雪はそれとちがって、大気中に浮かんだ形で成長するので、何もじゃまになるものがなく、本来の形のとおりに完全に発達する。六花の美しい形が、氷の結晶の本来の姿なのである。

ところで大気中で水蒸気が凍りついてといっても、大気中に、何か凍りつく芯になるものがなくては、水蒸気は凍りつけない。