Japanische Klassiker mit Furigana
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じゆうじん
自由人
豊島 与志雄
Lesen Sie 自由人 (じゆうじん) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 69.030 Zeichen · 139 Bildschirme
周と北村とは、全然の初対面ではない。紹興の店で顔を合せたことがあるし、名前は菅原を通じて互に知り合っている。
席が落着くと、菅原は周に尋ねた。
「わりに早かったね。駄目だろう。」
周は曖昧な微笑を浮べた。
「僕が言った通りだ。嵐の中を御苦労さまだな。」
「いや、得るところもあったよ。君の火山のようなものさ。」
「言葉には言えないことか。そんならまあいいが、本堂君こそ災難だね。」
「その代償は約束ずみだ。」と本堂は笑った。「周さん、あれ、本当でしょうね。」
「あ、忘れるところだった。すぐ取り寄せます。」
周は北村の方を向いた。
「北村さん、あなたは洋画家だから、洋酒もお好きでしょうね。ウォートカは如何ですか。」
「ほう、それは珍らしい。昔はずいぶん飲んだものです。」
「それは丁度よかった。いっしょにやりましょう。」
周は電話に立って行った。戻って来ると、北村の方へ坐り直した。
「菅原君が長い間お世話になりましたが、こんど、ようやく家が見付かりました。喜んでやって下さい。」
北村には思いがけない話だ。菅原の方を見たが平然としている。
「菅原君から、まだ何も話していませんか。