Japanische Klassiker mit Furigana
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じてんしゃにっき
自転車日記
Lesen Sie 自転車日記 (じてんしゃにっき) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.488 Zeichen · 17 Bildschirme
ものでない、今度は違った方へ行こうとの御意である、よろしいと口には云ったようなものの、ままにならぬは浮世の習、容易にそっちの方角へ曲らない、道幅三分の二も来た頃、やっとの思でハンドルをギューッと捩ったら、自転車は九十度の角度を一どきに廻ってしまった、その急廻転のために思いがけなき功名を博し得たと云う御話しは、明日の前講になかという価値もないから、すぐ話してしまう、この時まで気がつかなかったがこの急劇なる方向転換の刹那に余と同じ方角へ向けて余に尾行して来た一人のサイクリストがあった、ところがこの不意撃に驚いて車をかわす暇もなくもろくも余の傍で転がり落ちた、後で聞けば、四ツ角を曲る時にはベルを鳴すか片手をあげるか一通りの挨拶をするのが礼だそうだが、落天の奇想を好む余はさような月並主義を採らない、いわんやベルを鳴したり手を挙げたり、そんな面倒な事をする余裕はこの際少しもなきにおいてをやだ、ここにおいてかこのダンマリ転換を遂行するのも余にとっては万やむをえざるに出たもので、余のあとにくっついて来た男が吃驚して落車したのもまた無理のない