Japanische Klassiker mit Furigana
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まいひめ
舞姫
Lesen Sie 舞姫 (まいひめ) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.190 Zeichen · 33 Bildschirme
これすぎぬという少女が父の名なるべし。内には言い争うごとき声聞こえしが、また静かになりて戸は再びあきぬ。さきの老媼は慇懃におのが無礼の振る舞いせしを詫びて、余を迎え入れつ。戸の内は廚にて、右手の低き窓に、真白に洗いたる麻布をかけたり。左手には粗末に積み上げたる煉瓦の竈あり。正面の一室の戸は半ば開きたるが、内には白布をおおえる臥床あり。伏したるはなき人なるべし。竈の側なる戸を開きて余を導きつ。このところはいわゆる「マンサルド」の街に面したる一間なれば、天井もなし。隅の屋根裏より窓に向かいて斜めにさがれる梁を、紙にて張りたる下の、立たば頭の支うべきところに臥床あり。中央なる机には美しき氈をかけて、上には書物一、二巻と写真帖とをならべ、陶瓶にはここに似合わしからぬ価高き花束を生けたり。そが傍らに少女は羞をおびて立てり。
彼は優れて美なり。乳のごとき色の顔は燈火に映じて微紅をさしたり。手足のかぼそくたおやかなるは、貧家の女に似ず。老媼の室を出でしあとにて、少女は少し訛りたる言葉にて言う。「許したまえ。君をここまで導きし心なさを。君は善き人なるべし。われをばよも憎みたまわじ。