Japanische Klassiker mit Furigana
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ふねでついたまち
船でついた町
小川 未明
Lesen Sie 船でついた町 (ふねでついたまち) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 2.924 Zeichen · 6 Bildschirme
彼は、丘へ上がりました。
ここには冬もなく、うららかな太陽は、海を、町を、照らしていました。すこし上がると、ばらの花が咲いていて、緑色の草が、いきいきとはえていました。
金持ちは、草の上に腰をおろして、たばこをすいながら、絵に描いたような、あたりの景色にうっとりと見とれたのです。
「あのおじいさんのいったことは、ほんとうだ。無益な欲が、かえって人間を不幸にするのだ。そして、欲深になったものは、もう二度と、生まれたときのような、美しい気持ちにはなれないのだ。だれとも争わず、仲よく暮らしてゆくのが、本意なんだ。この世の中が、まちがっていることに気づかなかったばかりに、俺も、いつしか欲深い人間になってしまった。この町の人々のような平和な生活がうらやましい……。」
頭の上の木のこずえには、美しい小鳥が、しきりに鳴いていました。彼は、なにを考えるということもなく、夢を見るような気持ちで、小鳥の唄にききいっていました。
そこには、金持ちもなく、貧乏人もなく、ただ、美しい世界があるばかりでした。