Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しばいきょうぼうけん

芝居狂冒険

夢野 久作

Lesen Sie 芝居狂冒険 (しばいきょうぼうけん) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.334 Zeichen · 21 Bildschirme

Aozora Bunko

「……おのれッ。キ……貴様はテキ屋の竜公(たつこう)……。コ……此奴(こいつ)は私の借屋(しゃくや)に居やがって……家賃を溜めて……デ……出て行きやがらないんです。柔道(やわら)で私を投飛(なげと)ばしやがったんで……お……おまけに俺(わし)の娘を……チ畜生ッ……ウ……怨み重なる……どうするか見ろッ」

山金の親方が遮り止めて腰をかけさした。穏やかに事情を話して聞かせた。

禿頭(とくとう)は万平に向って手を合せてペコペコした。娘の手を引いて万平の前に連れて来てお礼を云わせた。

娘は真赤になって、嬌態(しな)を作り作り万平の前に来て、振袖を重ねた。いい匂のする桃割髪(ももわれ)を下げた。

万平は白粉(おしろい)の下から汗をブルブルと流した。ズッコケかかった昼夜帯を後ろ手で抱え上げ抱え上げ滅法(めっぽう)矢鱈(やたら)にお辞儀を返した。

皆思わず笑い合った。

「アハハハハハ」

「ワハハハハハ」

手錠をかけられた男が恐ろしく面(つら)を膨らました。

底本:「夢野久作全集10」ちくま文庫、筑摩書房

1992(平成4)年10月22日第1刷発行

※材木屋の屋号が「やまかわ」