Japanische Klassiker mit Furigana
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あくたがわのことども
芥川の事ども
菊池 寛
Lesen Sie 芥川の事ども (あくたがわのことども) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.580 Zeichen · 11 Bildschirme
芥川の死について、いろいろな事が、書けそうで、そのくせ書き出してみると、何も書けない。
死因については我々にもハッキリしたことは分らない。分らないのではなく結局、世人を首肯させるに足るような具体的な原因はないと言うのが、本当だろう。結局、芥川自身が、言っているように主なる原因は「ボンヤリした不安」であろう。
それに、二、三年来の身体的疲労、神経衰弱、わずらわしき世俗的苦労、そんなものが、彼の絶望的な人生観をいよいよ深くして、あんな結果になったのだろうと思う。
昨年の彼の病苦は、かなり彼の心身をさいなんだ。神経衰弱から来る、不眠症、破壊された胃腸、持病の痔などは、相互にからみ合って、彼の生活力を奪ったらしい。こうした病苦になやまされて、彼の自殺は、徐々に決心されたのだろう。
その上、二、三年来、彼は世俗的な苦労が絶えなかった。我々の中で、一番高踏的で、世塵を避けようとする芥川に、一番世俗的な苦労がつきまとっていったのは、何という皮肉だろう。
その一の例を言えば興文社から出した「近代日本文芸読本」に関してである。この読本は、凝り性の芥川が、心血を注いで編集したもので、あらゆる文人に不平なからしめんために、出来るだけ多くの人の作品を収録した。