Japanische Klassiker mit Furigana
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はなもかたなも
花も刀も
山本 周五郎
Lesen Sie 花も刀も (はなもかたなも) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 89.364 Zeichen · 178 Bildschirme
角ばってはいるが、北国人らしいおもながの、彫のふかい顔には、堅い自信と張りきった力感があふれている。それがいま、こみあげてくる微笑のために、誇りとよろこびとで輝くようにみえた。
――やった、おれはやった。
とうとうおれはやったぞ、と幹太郎は心のなかで叫んだ。
稽古おさめの祝宴は五時から始まった。
門人はぜんぶで八十七人いたが、主持であるとか、その他の事情で出られない者もあり、その日集まったのは五十余人。それに、出稽古さきの諸家――松平和泉守、戸田内膳、堀田信濃守、松平備後守、板倉伊賀守らから、その係りの人が出席した。
宴席は初め道場で行われた。
師範と招待客を正面にし、掛札の順に膳が並ぶ。給仕は内門人の少年五人と、新参の者たちが受持つのであるが、それは盃が一巡するまでのことで、まもなく上座の主客と、掛札五枚までの幹部は奥へ去ってしまう。そこにはべつに席が設けてあるし、素人ふうに拵えた芸妓がいて、とりもちをするのであった。
師範の淵辺十左衛門は常陸の出で、笠間の近くに家があり、妻子はそっちに住んでいた。この道場では、十左衛門は独身生活であるが、毎月五日ずつ家に帰る。