Japanische Klassiker mit Furigana
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はなよい
花宵
山本 周五郎
Lesen Sie 花宵 (はなよい) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.938 Zeichen · 18 Bildschirme
けれどおまえは成人すれば他家へ養子にゆくか、または分家して一家をたてなければなりません、いつかは母のもとを去って他人の世界へゆく人です。……そうなってしまえばもう母は面倒をみてあげることができないのです、悲しいことも嬉しいことも、おまえは自分ひとりの力で耐えてゆかなければならない時が来るのです」母親は云いさしてそっと眼をぬぐったが、すぐに涙を隠してつづけた。
「清之助はあのとおり元気で性質も明るくひとりで何処へはなしても安心だと思いますけれど、おまえは幼い頃から気の弱い子でした、少しのことにも感じやすく、すぐ自分とひとを比べて考える癖があります。昨日のきよがきもそのとおり、おまえはよい点をとって兄さまに勝とうという気持でいる、それではいけないのです、それではよいお点をとったところでゆきどまりになってしまいます。学問でも武芸でもみな一生の修業ですが、それは掛川藩のため、ひいては御国のお役にたつのでなければだめです。『おれが』という自分だけ偉くなる気持では、どれほど学問武芸にぬきんでたところで少しも値うちはありません。……兄さまに勝つことよりも、御国のお役にたつりっぱな人間になろうと努力をするのがまことの武士の道ではありませんか。