Japanische Klassiker mit Furigana
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かしょく
花燭
Lesen Sie 花燭 (かしょく) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.501 Zeichen · 38 Bildschirme
三日まえから沼津の海へロケーションに来ています。私は、浪のしぶきをじっと見つめて居ると、きっとラムネが飲みたくなります。富士山を見て居ると、きっと羊羹をたべたくなります。心にもない、こんなおどけを言わなければならないほど、私には苦しいことがございます。私も、もう二十六でございます。もう、あれから、十年にもなりますのね。ずいぶん勉強いたしました。けれども、なんにもなりませぬ。きょうは霧のようにこまかい雨が降っていて、撮影が休みなので、お隣りの部屋では、皆さん陽気に騒いでいます。私には、女優がむかないのかも知れません。お目にかかりたく、私は十六、十七、十八の三日間、休暇をもらって置きますから、どの日でも、新介様のお好きな日においで下さい。いっそ、私の汚いうちへおいで願えたら、どんなにうれしいことでしょう。別紙に、うちまでの略図かきました。こんな失礼なことを申して、恥ずかしくむしゃくしゃいたします。字が汚くて、くるしゅう存じます。一生の大事でございます。ぜひとも御相談いたしたく、ほかにたのむ身寄りもございませぬゆえ、厚かましいとは存じながら、お願い。