Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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めばえ

芽生

宮本 百合子

Lesen Sie 芽生 (めばえ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 40.924 Zeichen · 81 Bildschirme

Aozora Bunko

こんな事を云っておう来の見えるまどによっかかった。弁当をぶらさげた職人や御役人さまというみじめな名にとりこになって居る人間達が道に落ちてるゴミ一本でもためになればのがさずひろって行くという様な前っこごみのいやな風をして歩いて行くのが見える。つくづく自分ののんきさがうれしく思われる。

親父にはどんな事があってもなりっこなしにするのさ――どじょうっぴげを気にしながら小供のお守をして居る親父殿を見るとすぐ斯う思われた。何かすぐ筆の下せる様な人が通ればいいがナアと根気よくまって居たが、来るどころか皆いやな様子のものばっかりが通る。何とはなしにかんしゃくが起る。かんしゃくが起ると自分の体をあつい鉄の板の上になげつけてやりたい様になるって云ってたっけが、一つここからとんでやろうかナ、立ち上ってフト――窓からは飛ばずに階子をかけ降りて三味線をつかんで又かけ上った。

調子なんかかまわずにただ一寸はじいてもいい音がする。そのつながりのない一つ一つの音にも何となく思いをはらんで居る様なので撥のはじで一本一本丁寧にいろんな音を出してはじいて見る。

その音の中から何か湧き出して来そうな気がする。