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Japanische Klassiker mit Furigana

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わかきひのジンギスカン

若き日の成吉思汗

林 不忘

Lesen Sie 若き日の成吉思汗 (わかきひのジンギスカン) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.827 Zeichen · 68 Bildschirme

Aozora Bunko

ああ、何という恐しい! (と眼を覆う)

露台の向うから、紫いろの油の煙りが濛々と立ち昇る。合爾合姫と侍女らは、凝然と露台の外を見守る。

合爾合姫 (ひとり言のように)昔の成吉思汗の恋が、ここへ来て、こんな恐しい仕返しをしようとは――。(泣く)

侍女二 お察し申し上げます。

侍女一 でも、殿様のあのお言葉、ほんとうに女冥利、嬉し涙が溢れてなりませぬ。

この時、血染れの将校一人、露台上手から走り込んで来て、叫ぶ。

将校 (妃に敬礼して、木華里の看視兵へ)おい! 表門に石を積んで、かなわぬまでも備えをするのだ。猫の手も借りたい場合だ。その軍使は縛ってあるのだろう。そいつをそのままにして、お前たち、皆来い。

看視兵ら、声に応じて将校とともに、露台上手へ駈け去る。舞台ほの暗く、正面の露台から星明りが差し入る。砂漠の外れがかすかに青み、月の出は刻々近い。

合爾合姫 (ぐっと胸に決して)今の話では、城門へ石を運ぶとのこと、女だとて働かねばなりませぬ。お前たちも、二人で石の一つぐらいは持てるであろう。ここは構わぬから、お手伝いに行くがよい。

侍女一二 でも、この恐しげな男と、奥方様を置きざりにして――。