Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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わかきひのせっつのかみ

若き日の摂津守

山本 周五郎

Lesen Sie 若き日の摂津守 (わかきひのせっつのかみ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.437 Zeichen · 47 Bildschirme

Aozora Bunko

その中でひっそりと、しかも熱心に読書している姿には、むしろ常人にない峻烈なものが感じられた。

おたきは本当のことが知りたくなり、その欲望を抑えることができなくなった。彼女は思いきって、大胆にそのことを光辰に訊いた。

――わたくしも申上げなければならないことがございます。

彼女はさきに告白した。おたきは吉田屋の娘ではない、伊部村の貧しい百姓の家に生れ、十二のときから吉田屋に奉公していた。そしてお城から「側室をあげるように」という沙汰があったとき、二女のおたきの身代りにされたのである。吉田屋作兵衛は御用商で、家中のことに詳しかったし、光辰がおろかだということも知っていた。自分の娘をあげるに忍びないため、金を代償に因果を含め、彼女を娘として城へあげたのであった。

――うちは貧乏のうえに子供が多いので、それだけのお金があれば助かりますし、御主人の頼みですから断わることができなかったのです。

年は同じだが、自分の名はみちというのである。というふうに語った。光辰は首をかしげ、眉をしかめながら、黙って聞いていて、聞き終ってからも、暫くなにも云わなかった。

――ひどくこみいっているな。