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Japanische Klassiker mit Furigana

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クーリーがしらのひょうじょう

苦力頭の表情

里村 欣三

Lesen Sie 苦力頭の表情 (クーリーがしらのひょうじょう) von 里村 欣三 (さとむらきんぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.583 Zeichen · 18 Bildschirme

Aozora Bunko

苦力達は俺の仕事に驚いた。まさか日本人に土方という稼業はあるまいと思ったに違いない。支那に来ている日本人は皆偉そうぶって、苦力を足で蹴飛ばしている訳だから。苦力頭が昼ごろ見廻りに来たが、その時も俺に見向きもしなかった。アバタ面を虎のようにひんむいて、苦力どもを罵っていた。

昼飯の時、苦力のひとりが俺にマントウと茶碗に一杯の塩辛い漬物を食えと云って突き出した。いくら腹が減っていても、バラバラした味気のないマントウは食えなかった。塩辛い漬物を腹一杯に食って、水ばかり呑んだ。

仕事を終った時は流石に疲れた。転げそうな体をようやく小屋に運んだ。

苦力たちは、用意の出来ていた食物を、前の空地に運んで貪りついた。一日十五六時間も働いて、日の長いのに三度の飯は腹が減るのは無理もなかった。俺は腹が減り切っていたが、マントウには手が出なかった、熱い湯を呑んで、大根の生まを噛じった。そして房子に入った。土間の入口の古い机に倚って、酒を呑んでいた苦力頭が俺をみて、はじめてにっこりとアバタ面を崩して笑った。そしてブリキの盃を俺に突きつけた。俺は盃をとるかわりに腕を掴んで、 ――大将! 俺を働かしてくれるか有難い――と叫んだ。