Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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クーリーがしらのひょうじょう

苦力頭の表情

里村 欣三

Lesen Sie 苦力頭の表情 (クーリーがしらのひょうじょう) von 里村 欣三 (さとむらきんぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.583 Zeichen · 18 Bildschirme

Aozora Bunko

が俺にも無論その理由が解らなかった。

――ただ気の向くままに――

おおそうだ。気の向くままに放浪さえしていれば、俺には希望があった、光明があった。放浪をやめて、一つ土地に一つ仕事にものの半年も辛抱することが出来ないのが、俺の性分であった。人にコキ使われて、自己の魂を売ることが俺には南京虫のように厭だった。人の顔色をみ、人の気持を考えて、しかも心にもない媚を売って働かなければならないことは、俺にはどうしても辛抱のならないことだった。だが、しかし不幸なる事に人間は霞を喰って生きる術がない。絶食したって三日と続かない。とどのつまりは、やはり人にコキ使って貰って生きなければならない勘定になる。他人をコキ使おうッて奴には虫の好く野郎は一匹だってない。そこでまた俺は放浪する。食うに困るとまた就職する。放浪する、就職する、放浪する、就職する………無限の連鎖だ!

――生きるためには食わなければならぬ。食うためには人に使われなければならぬ。それが労働者の運命だ。どこの国へ行こうとも、このことだけは間違いッこのないことだ。お前ももういい加減に放浪をやめて、一つ土地で一つ仕事に辛抱しろ。